About

塩原良和研究会とは?

 

塩原ゼミでは、学部の垣根を越えて多様な関心テーマを持つ学生が教室に集い、互いの価値観を「対話」を通じて交わし合うことで授業が進められます。多文化共生をテーマとした文献講読や、外国につながる子どもたちとのフィールドワークにより、社会の在り方について深く考えていきます。この居心地のいい温かい雰囲気の教室で、一緒に社会学を勉強してみませんか。

 

〈研究テーマ〉

社会変動論、国際社会学

ゼミ全体では主に移民・外国人住民や多民族・多文化社会化の現状・理論・政策、関連する諸問題について、フィールドワークと文献購読を通じて学びます。それに加えてゼミ生は社会変動論/国際社会学に関連するテーマを自由に選び、個々に個人研究論文を執筆します。

個人研究テーマの例:①国境を越える人の移動(移民、難民、外国人住民、旅行者、国際結婚、帰国子女、留学、ビジネスなど)と、それがもたらす国民社会の変容(多民族・多文化社会化、多文化主義・多文化共生、シティズンシップ、トランスナショナリズム、エスニシティとナショナリズムなど)②現代におけるさまざまな社会変動(グローバリゼーションと政治・経済の変容、つながりと居場所、新自由主義、ライフスタイルやアイデンティティ、教育、ジェンダーやセクシュアリティなど)。

 

〈2019年度〉

◇本ゼミ(月曜3・4限)

  ①ゼミ生の個人研究報告やフィールドワークに関する話し合い等(週1コマ)。

  ②文献購読(週1コマ):多文化主義・多文化共生または社会変動論/国際社会学等の

   専門書(学部専門課程レベル・主に日本語)。春・夏休み課題を含めて年間7冊前後。

 

◇フィールドワーク:週1回(2〜3時間)程度、授業時間外に大学の外で実施します。参加日は複数の曜日・時間帯から学生の都合に合わせて選択可能です。フィールドワークの趣旨・内容は下記を参照してください。フィールドワークはこのゼミにおいては必修なので、必ず、かつ積極的に参加できる方を優先します。

 

その他よくあるご質問については、「Q&A」ページ  をご参照ください。

 



フィールドワーク

〈塩原ゼミでの「フィールドワーク」〉

フィールドワークによる社会学的質的調査は、現場の出来事や人々との出会いと関わりを通じて、社会的現実の複雑さを理解することを目指す。それは学術研究のみならず、学生が他者との対話の経験を重ね、複雑な社会的現実への想像力を養うための教育機会としても活用できる。また、教室での一方的な知識の伝達からの脱却を目指すアクティブ・ラーニングを大学教育に導入する重要性も認識されている。

 そこで本研究会では、学外での社会学的質的調査と学内の授業での討論・文献購読等を連動させて学生の対話力・想像力を向上させるアクティブ・ラーニング型教育モデルを実践する。

 横浜市・川崎市の公立学校や NPO 等と協働して参画・実施する、外国にルーツがあったり生活保護家庭で育った子ども・若者への支援活動に、ゼミ生は2年間、継続的に参加する。学生は活動の企画・運営にも積極的に関わりつつ、自分とは異なる境遇にある人々と信頼関係を築くことを目指す。そして参与観察的な方法を通じて、彼・彼女たちの生きる現実へと接近する。

 その知見は教室内での発表や討論で共有され、文献購読によって得た知識によって再解釈される。学生はその学びを活かし、活動の場での人々との関係性を深め、さらなる省察を進める。このような過程を繰り返し実施する。

 

この活動から期待される成果は、以下の通りである。

①現場の活動への参加を通じて、学生が自分とは異なる境遇にある他者と出会い、緊密に交流する経験を提供する。そこから学生が他者と対話する方法を学ぶことで、多様化する社会のなかで人々を繋ぎ、創造性を生み出す人材への成長を促す。

②現場での経験を授業での学びによって深めることで学生の社会学的想像力を涵養し、社会現象の複雑さについての理解を促す。

③社会学的調査実習を応用したアクティブ・ラーニングの好事例を提供し、大学教育の発展に寄与する。

 

〈2019年度活動内容〉

 

 1.社会福祉法人青丘社・川崎市ふれあい館 中学生学習サポート

(1)活動内容

 経済的に困難を抱えた中学生(外国につながる子どもを含む)の学校の勉強のサポート(原

 則として日本語で行う)

(2)活動場所・時間

 ①川崎市ふれあい館

  〒210-0833 川崎市川崎区桜本1-5-6

 ②京町いこいの家

  〒210-0848 川崎区京町3-12-2

毎週火・木曜日:午後6 時30 分-9時

 

 

2.鶴見よる教室・外国につながる若者の居場所づくり活動

 

(1)活動内容

 a) 鶴見よる教室

 ・横浜市立潮田中学校などの国際教室で学ぶ、外国につながる生徒を受け入れ、高校入試

  に向けた学習支援を行う

 ・「学習支援」は広い意味で捉える(勉強に向けた動機付け、各種相談、心理的支え、等)

 b) 外国につながる高校生・若者の居場所づくり活動

 ・「地域の居場所づくり」をテーマに、参加する高校生や若者と話し合って活動を企画し

  て進める。

 ・2020 年3 月に開催される多文化フェス「つるみクロッシング」に参加

(2)活動場所・時間

鶴見国際交流ラウンジ(JR鶴見駅前)

毎週土曜日17 時~20 時30分

 

3.県立川崎高校「ワールドカフェふらっと」

(1)活動内容

 県立川崎高校(全日制・定時制)に通う高校生(外国につながる生徒を含む)を対象にした

 校内居場所カフェの運営とキャリア形成支援、および同校全日制課程に入学した外国人生徒

 の日本語支援

(2)活動場所・時間

神奈川県立川崎高校

〒210-0845 神奈川県川崎市川崎区渡田山王町22-6

毎週水曜日14 時30 分頃から18 時頃まで(準備・後片付け・振り返り含む)

※開催されない週もあり

 



指導教授より

 

この研究会では、国境を越える移住者・旅行者・労働者の移動のあり方と、それに伴う社会・文化・政治・経済的変容(多民族・多文化社会化)を理論的・実証的に分析する「国際社会学」を中心に学びます。僕自身の研究関心は主にオーストラリアと日本の事例ですが、それに限らず、社会変動論/国際社会学全般に関連するトピックに関心があれば、どなたでも入ゼミを志望できます。

日本に住む外国人は一貫して増加し続けてきました。日本政府は半熟練外国人労働者の公式な受入れを開始し、外国人との「共生」を目指した施策の整備を進めています。外国人観光客や留学生も増え、国際結婚家庭やいわゆる「ハーフ」の存在感も増し、日本はますます「単一民族社会」とは呼べなくなりつつあります。しかしその反面、ヘイトスピーチのような排外主義的な風潮も目立ってきました。こうした民族・文化的マイノリティは、性的少数者や障がい者、そして貧困世帯の排除の問題とも結びついています。

こうしたなか、自分とは異なる他者と、ひとつの社会のなかでどう折り合いをつけていけるのか、その共生/共棲のあり方が、いま改めて問われています。この研究会で探究したいのは、こうした共生/共棲のリアリティと可能性です。そのために、ゼミ生は文献講読や討論を通じて学問的知識を身につけ、論理的な思考力の訓練をします。

それだけではなく、すべてのゼミ生は、人は他者とどのように共生/共棲しているのか、していけるのかという問いを、大学外でのフィールドワークを通じて学んでいきます。それは通常の社会学的現地調査とは異なり、「現場(フィールド)」でさまざまな活動を「実践する=汗を流す(ワーク)」、アクティブラーニング教育の要素を取り入れています。具体的にはNPOと協働して、外国にルーツをもつ若者や生活保護受給家庭の若者との交流・支援活動にボランティアとして参加します。私は共生/共棲の関係を社会に根付かせていく鍵は「対話」と「想像力」だと考えていますが、ゼミ生たちは日々、それぞれのフィールドでの出会いや経験を通じて、対話と想像力の意味について考えて続けてくれています。そうした知識・思考・経験を積み重ねるなかで、より良い社会へのオルタナティブな道を構想する。こうした意味での「批判的」な視座を学生が獲得することが、この研究会の目標です。

 

指導教授・塩原良和